東北旅行五日泊目は
わかさぎ公園浜台キャンプ場から約80km
この世とあの世の境界にあるといわれる
恐山を旅してみたいと思います。
あれは何年くらい前のことだったろう??
今は亡き祖父がイタコの口寄せについて
話してくれたことがありました。
口寄せとは霊を自らの体(イタコの体)に乗り移らせて
その言葉を語らせる術で私の祖父は
その当時既に亡くなっていた祖母の霊で
実際にそれを体験してきたのです。
それはもうすごい話で
母は涙を流してその話を聞いていて
そういう類の話は信じない私もその時ばかりは
これは本物かもしれないと感動したのは覚えているのですが・・・
それがどんな話だったかどうしても思い出せないのです。
先日母にもその時の話を聞いてみたのですが
どうやらこちらも全く覚えていないみたい💦
それならば実際に自分が行って
体験してやろうじゃないか!!という流れで
今回の旅となったわけですがその前に
恐山霊場に来る途中偶然見付けた湧き水(恐山の冷水)で
洗心を行い参拝の準備をしていきましょう。
この恐山の冷水
隣にある看板によると不老水といわれ
飲めば若返るというじゃありませんか!!
当然がぶがぶ飲みまくり
かなり若返った気でいましたが
濾過や殺菌処理をしていない生水であるため
一度煮沸してから飲んだ方がよいということを後から知りました。
幸いいお腹が痛くなるようなことはなかったのですが
用心するに越したことはありませんから
皆さんはそのようなことの無いよう十分ご注意下さい。
クネクネした道をしばらく走ると
だんだん硫黄の臭いが強くなり
三途の川にかかるといわれる太鼓橋が見えてきます。
ここを渡るとあの世への旅の始まりだ!!
と張り切って渡ろうとしたのですが
どうやら橋が傷んでいるようで通行止めの看板が。
この時はたまたま通行止で入れませんでしたが
後で知ったところによると
この橋渡り切っちゃうとあの世に行っちゃうから
途中で引き返さないとダメなんだって💦
いやぁ~危なかった(・・;)
気を取り直し料金500円を支払い
恐山入場です。
総門から山門を通過すると見えてくるのは薬師の湯。
先ずはここで汚れた心と体を洗い流してから
先に進むことにしようと勝手に考え温泉をいただきます。
さっきも洗心したけど私の場合
沢山やっておいた方がいいでしょう
この温泉は無料で入れるうえに
お湯も白濁していてなかなか雰囲気のあるいいお風呂だと思うんだけど
どういうわけか入っている人がほとんどいないんです。
女性用に限っては一人も入っていなくて(ラッコ姫情報)
勿体ない限りです。
洗い場がないとか着替えが面倒くさい等
いろいろ問題もありますがせっかくですから
是非入っておきましょう。
参拝ルートを進んでいくと
観光客以外の気配がほとんどないことに気付くと思います。
これだけの山奥ですから虫がいたり
鳥がいたり狸などの動物を見たりしてもいいものだと思うのですが
この辺りには全くと言っていいほど生き物がおらず
たまに見るのはカラスだけという不気味な世界
置かれたお賽銭は錆で真っ黒になり
木はもちろん草もほとんど生えていない
本当に地獄のような光景が広がっているので
お化けのせいじゃないかと思ってしまうのですが
実際には有毒ガスの影響だそうです。
それはすぐ脇にある宇曽利山湖にも影響を及ぼしています。
ここの水がきれいに透き通って見えるのは
火山ガスが溶け込み酸性値が高い為
生物がいないからだそうです。
そんな話だから湖に生物は全くいないのかと思いましたが
ウグイという魚が一種類だけ生息しているそうです。
恐山の旅中盤から後半は地獄巡りとなります。
地獄の中でも最も苦しいといわれる無間地獄や
本当に真っ赤になるらしい血の池地獄
(残念ながら私達が見た血の池地獄は普通の水のようでした)
こんな地獄があるんだ!?
金堀地獄
これは悪い事をした人が行くんだろうな
重罪地獄
そして最後は胎内くぐり
地獄を抜けて魂を浄化し
ここで新たに生まれ変わるんだそうです。
そしてスタート地点に戻ってくるわけなんですが
イタコの口寄せっていったいどこでできるのでしょう??
困ったときのグーグル先生に確認してみると・・・
なんということでしょう
イタコの口寄せをしてもらえるのは
恐山例大祭の期間中など
ごく限られた日しかないというじゃありませんか(・・;)
これを知ってかなりがっかりしたのを覚えているのですが
後々調べてみると朝7時に行って10時間待ちとか
そんなレベルのようなのでどちらにしろ
口寄せ体験はできなかったでしょう。
そう思うと少し気が楽になりました。
名前だけみるとちょっと怖い恐山。
実際怖かったり物悲しい気持ちになる場所が多いのですが
すぐ後ろには極楽浄土のような宇曽利山湖が広がり
天国と地獄の境界のような独特な世界を作り上げています。
そんな景色を見ていると
生と死は紙一重なんだよと恐山が教えてくれているような気がしてきて
毎日をできる限り大切に過ごさなければいけないと思えてくるのです。
イタコ体験はできなかったけど
そんな気持ちになることが嬉しかった
恐山体験でした。